発表会が近づいてきたら、本番を想定しての練習にご家庭で取り組んでいくと良いですね。
今回は、YAMAHA MUSIC SCHOOL(ヤマハ音楽教室)のグループの発表会、アンサンブルの発表会に向けた家庭学習の取り組み方を、年齢別に解説していきます。
発表会直前の練習で先生が考えていること
グループの発表会では、複数人で一緒に舞台に立つため、1人で演奏する発表会とは意識していることが違います。
先生それぞれに考えていることは違うと思いますが、私の場合は【演奏全体の完成度】を意識しています。
具体的には、
・リズムと全体の演奏がずれていってしまわないようにすること
・場面ごとに目立つ音のパートが崩れないこと
・キメの部分など全員で揃うと良い音を意識させること
・細かい弾き方を揃えること
の順に優先してレッスンしています。
一人一人が間違わずに弾いているかのチェックは、直前になるとあまりしないので(もちろん目立つところの間違いは直しますが)、自分の音を責任を持ってきちんと弾くことは、それぞれに頑張って欲しいと思っています。
家庭学習の取り組み方にもポイントがあるので、解説していきます。
幼児科・ぷらいまりーの発表会に向けた練習
幼児科やぷらいまりーの発表会では、楽器店の考え方により参加形態がさまざまです。
- 歌で参加する
- 先生と一緒に舞台に立つ
- お子さんたちだけで舞台に立つ
の3種類に分けて解説します。
歌で参加する場合
歌で参加する場合、レッスン以外にもCDなどの音源に合わせて練習するように言われると思います。
レッスンでは、入るタイミングを「さん はい」などと合図してもらえたり、自信がなさそうだったら先生が近くで歌ってくれたりとサポートしてもらえると思いますが、本番は違います。
周りをキョロキョロと見ずに、前を向いて歌えるように
・歌詞を確実に覚える
・歌に入るタイミングを覚える
・振り付けがある場合は振り付けもしっかりと覚える
ことを意識しておうちでも練習しましょう。
振り付けは、となりのお子さんとぶつからないように等、どのくらいの大きさで動かす、どの向きで動かすかをレッスンの時によく確認しておくと良いですね。
また、発表後のおじきの仕方(合図の音がなるのか、気をつけ礼などの声がかかるのかなど)も確認し、上手におじぎができるように練習しておきましょう。
先生と一緒に舞台に立つ場合
幼児科やぷらいまりーでは、先生の伴奏に合わせて演奏する形で発表会に参加するケースも多いです。
先生が伴奏を弾いてくれる場合は、とにかく先生の伴奏をよく聴いて弾くことが大切です。
先生の伴奏のどこを聴いたら入るのか、ように合わせるのかをよく意識して練習しましょう。
間違わずに弾けることよりも、速さを保って合わせて弾けることの方が大切です。
ご家庭でも先生の伴奏の音を聴きながら練習できるのであれば、伴奏に合わせて弾く練習をたくさんしましょう。
本番は、保護者や先生は近くにいない状態で演奏することになると思います。
ご家庭での練習やレッスンで、保護者の方が手を出しすぎてしまうと、それに頼って弾くようになってしまいます。
本番が近づいてきたら、お子さん自身にも本番は自分の力で弾かなければいけないのだと意識させ、なるべく手助けせずに弾くようにしていきましょう。
演奏の前後のシミュレーションも大切です。
イスに座る、おじぎをする、なども含めた流れをご家庭でも練習しておくと良いですね。
お子さんたちだけで舞台に立つ場合
講師による伴奏なしで演奏する場合は、テンポキープすることがとても大切です。
発表会以外の曲を練習する時から、自分勝手なテンポではなく、周りの音をよく聴いて合わせる習慣をつけていきましょう。
ご家庭では、発表会の曲以外に、CD(音源)に合わせて弾く曲をたくさん練習しておくと良いです。一定のテンポで進んでいる音楽に合わせる感覚をつけていきましょう。
また、テンポキープをしたり、周りの音を聴きながら演奏するためには、
自分のパートの音を余裕を持って弾けていることが必要不可欠です。
ギリギリなんとか弾けている、という状態では難しいことですので、まずは余裕を持って弾けるようにたくさん練習すると良いですね。
発表会を通して、自分の弾く音に責任を持って取り組むことは、とても大きな経験になります。前向きに取り組めるように、励ましてあげながら練習を頑張りましょう。
本番に向けては、演奏の前後のシミュレーションも大切です。
イスに座る、おじぎをする、なども含めた流れをご家庭でも練習しておきましょう。
ジュニア(小学生)の発表会に向けた練習
ジュニアの各コースでは、お子さんたちだけのアンサンブルのスタイルで発表会に参加することがほとんどだと思います。
テキストで取り組むアンサンブルは、曲も短く、構成もシンプルだったりしますが、発表会の曲は長い曲に取り組むことになると思います。
本番に向けての練習のポイントは、
- イスに座る→準備→演奏→おじぎの流れをシミュレーションして練習する
- 全体の音楽に合わせて弾く練習をする
- エレクトーンでの上下移動や音変えも意識して練習しておく
の3点です。
本番の演奏の流れをシミュレーション
発表会が近くなってくると、当日の動線や流れについても説明があると思います。
当日の動きを想定して練習し、少しでも緊張せずに演奏できるように準備しましょう。
実際の動き方は楽器店や発表会会場によって異なりますので、担当の先生のお話をよく聞いてくださいね。
確認しておくと良いことは
①自分が弾くエレクトーンに座るまで(誘導してもらえるのか、自分で行くのか)
②イスへの座り方(昇るための台などはあるのか、イスのどのくらいのところに座るか)
③レジストデータの読み込みについて(やってもらえるのか、自分で操作するのか)
④おじぎの仕方について(合図の音が鳴るのか鳴らないのか、おじぎの向き、何秒くらいどんな角度でするのか)
特に、おじぎは慣れていないお子さんが多いので、ご家庭でもよく練習しておくと良いです。
全体の音楽に合わせて練習
演奏の中身について、大切なのは「周りと速さや弾き方を揃えて弾くこと」です。
自分のパートの音だけを練習していると、だんだん自己流のテンポ感や弾き方になってしまう場合があります。
複数人で演奏する場合には、音のミスをしないことよりも合わせて弾けることが大切なので、ご家庭でも全体の音に合わせて弾く練習をたくさんしましょう。
その上で、弾きにくい部分、間違いやすい部分があれば部分練習をすることが大切です。
チェックポイントとしては、
①リズムのテンポからズレずに弾けているか
②暗譜はできているか
③レッスンで指導された弾き方やのばす長さなどを気をつけられているか
の3点をよく確認しておくと良いでしょう。
エレクトーンならではの操作も確認
ご家庭の楽器がピアノの場合、レッスンでしか練習できないこともあります。
上下鍵盤について
普段レッスンで弾く際には、上鍵盤が右手、下鍵盤が左手と準備することがほとんどですが、
発表会の曲では異なる場合もあります。
特に途中で上下移動がある曲の場合は、レッスンでしっかりと覚え、ご家庭でも「上!」「下!」と意識しながら練習しましょう。
レジストチェンジについて
曲の途中で、ボタンを押したり足のレバーを操作したりして、音変えをする場合もあると思います。
高学年になると、レッスンでも音変えが出てくるアンサンブルがあり慣れてくると思いますが、低学年の間は結構難しいと思います。
こちらもレッスンの時にタイミングやどちらの手で押すかなどしっかりと確認しておきましょう。
また、レッスンで使っているエレクトーンと本番のエレクトーンでボタンの位置が違うことが多いので、気をつけましょう。
エクスプレッションペダルについて
エレクトーンでは、エクスプレッションペダルという足元にあるレバーを操作して、音量を変化させます。
発表会で使用するかしないかは曲によりますので、確認しましょう。
クレッシェンドやデクレッシェンドを指のタッチで表現するのか、エクスプレッションを使うのか、
mf→pなど音量が変わるところで、エクスプレッションペダルを使うのか(音変えがあると使わない場合もあると思います)
使う場合は、どのくらい動かすのかなど
レッスンで感覚を覚えるようにしましょう。
【まとめ】充実した発表会に
発表会は、それに向けて努力し、大きな舞台で弾く経験ができる大切な機会です。
これからの学びにつながる充実した発表会になるよう、練習を頑張って本番を迎えましょう!