「絶対音感」という言葉を聞いたことがありますか?簡単に言うと、音を聞いただけで何のドレミかわかる耳の力のことです。
ヤマハに通えば絶対音感は身につくの?音感教育って絶対音感を身につけるためのもの?
という疑問に答えていきます。
そもそも「絶対音感」とは?
絶対音感の定義はとても難しく、確立した定義がないように思います。
「ピアノの音が分かれば絶対音感だ」
「楽器以外の音も全てドレミでわからなければ絶対音感ではない」
などなど人によってこれが絶対音感と思っている程度も違います。
似た言葉で「相対音感」という言葉があり、これは「ある基準となる音と比べて、聞いた音が何の音かわかる」力です。
つまり、「これがドだよ」とピアノのドの音を聞いた後、「これは?」と弾かれた音のドレミが分かれば相対音感があると言えます。
この記事では、「相対音感」と対になる「絶対音感」として、
「基準の音なしに無作為に鳴らされたピアノなど楽器の音が何のドレミかわかること」を「絶対音感」があるとしてお話を進めていきたいと思います。
ヤマハ音楽教室で「絶対音感」が身につくのか
結論から言うと、つく場合もあるしつかない場合もあります。
私自身は、3歳からヤマハに通っていて、絶対音感が身につきました。(楽器の音ならドレミがほぼ完璧にわかる、生活音はドレミには聞こえない程度)
しかし、ヤマハに通った全員が絶対音感を持っているわけではありません。
その理由は、ヤマハで行っている「音感教育」は、絶対音感をつけさせることを目的にしていないというところにあります。
ヤマハ音楽教室の「音感教育」
ヤマハの「ぷらいまりー」や「幼児科」といった幼児向けのコースでは、コースのコンセプトとして「音感を育成する」ということを目標にしています。
この「音感」とは、単に「ドレミ」がわかることだけではなく、音楽を聞いたときに、リズム・アーティキュレーション・ハーモニー・強弱・曲想などさまざまな要素を聞き取ることができる力を指しています。
つまり、単にドレミがわかるだけではなく、もっと奥深いところまで聴いて捉えられる耳の力を育成するカリキュラムとなっています。
幼児期に耳の力をつけるためのレッスンをしていくので、結果として「絶対音感」が身につくことも多いですが、お子さんによっては「相対音感」だったり、音感があまりつかないケース(練習を全くしなかったり、保護者が手を出しすぎた場合)もあります。
「絶対音感」よりも大切な「音感教育」
「絶対音感」があるということは、特別な技能のように感じる方もいるかもしれませんが、
実際にさまざまな音楽していく上では、「絶対音感」でも「相対音感」でも大きな違いはありません。
「絶対音感をつける」と謳ったレッスンやトレーニングもありますが、その音が何のドレミか分かるだけでは、音楽的で魅力的な演奏はできません。
リズム感、ハーモニー感、調性感などの感覚、強弱やアーティキュレーションなど音の細かなニュアンスを聞き分けられる耳の力…それらを全部含めたものをヤマハでは「音感」と呼んでいます。
この「音感」があることで、どのような音楽が良いものかわかり、自分の奏でる音楽がどうしたらよくなるかがわかります。
充実した音楽表現には、広い意味での「音感」がとても重要であり、「音感教育」を受けることが大切なのです。
ヤマハに通って「音感」を身につけるために
残念ながら、レッスンに通うだけでは「音感」を身につけることは難しいです。
理由はレッスンは1週間に1回しかなく、その時間だけでは「音感」を身につけるために全然足りないからです。
「音感」はたくさんの繰り返しで身につく
音感をつけるためには、聞こえた通りに歌い、歌った通りに弾くことを繰り返すことが必要です。
レッスンでまねして歌った音楽を、家庭で思い出しながらたくさん歌う
レッスンでまねして弾いた音楽を、家庭で思い出しながらたくさん弾く
歌いながら弾き、歌と弾いている音が一致しているか自分の耳で確かめる
こういったことをたくさん繰り返すことで少しずつ音感として定着していきます。
ぜひ、家庭学習でたくさん繰り返すことを大切にしてください。
楽譜を見ているときには耳は開かない
4~6歳の子どもたちにとって、楽譜を読みながら弾くことは大変難しいことです。
楽譜を見て、何の音か読み、リズムを確認しながら弾く…
このような難しいことをしているときには、耳の力はほとんど使えていないと思います。
そのため、ヤマハのぷらいまりー、幼児科といった幼児向けのコースでは、弾くことと読むことは分けて考えています。
弾きながら自分の音を聴くことができなければ耳の力は育たないので、まずは曲を覚えて余裕を持って弾けるようにすることが、音感をつけるためにも大切です。
【まとめ】音楽を楽しむために必要な力をつけましょう
ヤマハのレッスンで身につけるのは「音感」です。
絶対音感、相対音感という定義上の力よりも、さまざまな音楽を楽しむことに活かしていける広い意味での「音感」をつける方が大切ではないでしょうか。
ヤマハの音感教育について、理解を深めていただけたら嬉しいです。