ヤマハの音楽能力検定制度「グレード」10~6級には、Aコース・Bコースの2種類があります。
今回はBコースについて紹介していきます。
Aコースについては≪こちら≫をご覧ください。
ヤマハグレードBコースの概要
10~6級のBコースは、総合的に音楽を学習している方のためのグレード試験です。
総合的にとは、曲を演奏することだけでなく、ハーモニーの学習や聴奏(耳で聴いてそれを演奏する)、アレンジなどさまざまな角度から音楽を学んでいるということです。
・ヤマハ音楽教室のグループレッスンに通っている方
・個人レッスンで伴奏づけやアレンジに取り組んでいる方
・聴奏が得意な方
におすすめのコースです。
10~8級グレードの試験内容
10~8級Bコースの試験内容は以下の通りです。
・自由曲2曲
・初見演奏
・伴奏づけ
・聴奏(メロディー・ハーモニー)
ピアノもエレクトーンも同じ項目になります。
7~6級グレードの試験内容
7~6級Bコースの試験内容は以下の通りです。
・自由曲2曲
・初見演奏
・即興演奏
・聴奏
ピアノもエレクトーンも同じ項目です。
グレード合格に向けての練習のポイント
Bコース受験を目指す方に向けて、練習のポイントをお伝えします。
【ポイント1】カデンツの練習がとても大切
Bコースのグレードは、演奏するだけではないさまざまな音楽の力を確認する内容になっていますが、中でも大切なのが「カデンツ」と言われるものです。
カデンツとは
特にクラシック曲で、曲の終わりはある程度決まった和音進行になります。
このような終わりに向かう和音進行をカデンツと呼んでいて、パターンとして練習し、定着させることが求められます。
多くの方が最初に受験する9級では、
I(1度)→IV(4度)→V7(属7)→I(1度)
の進行を「両手カデンツ」の形で、出題範囲の調のどれでも使いこなせるかどうかを確認します。
≪ヤマハ音楽教室でのハーモニーの学習、両手カデンツについて詳しくはこちら≫
どんな風に練習する?
ヤマハ音楽教室のシステムコース(ジュニア総合コース、アンサンブルコース、ピアノコースなど)に通っている場合、テキストの巻末にスケールとカデンツのページが載っていると思います。
このページの両手カデンツをたくさん練習するようにしましょう。
右手がドミソのとき左手がドというように、右手の和音の音と左手のバスの音を連動させて覚えます。
その他の学び方の場合は、問題集を購入して、「ハーモニー聴奏」の問題をまずは楽譜を見ながら弾いてみるのが良いと思います。
何調なのか、どんな進行になっているか意識しながら弾いてみましょう。
覚えるまでは少し大変ですが、一度定着させてしまえば、いろいろな曲に活かせるので、グレードのためだけでなく力を入れると良い項目です。
カデンツはどの項目で使う?
10~8級は、両手カデンツの形で「伴奏づけ」と「ハーモニー聴奏」の時にカデンツを弾くことになります。
7~6級は、ピアノなら左手のみ、エレクトーンは左手とベースでカデンツを弾いていきます。
カデンツを理解して練習しておくと、初見演奏の中の伴奏部分、即興演奏の中の伴奏づけ、聴奏のハーモニーを聞き取る時に活かすことができます。
【ポイント2】自由曲の完成度を上げる
Bコースのグレードは、さまざまな項目があるので、
初見演奏が苦手
聴奏が苦手
というように、苦手分野があることも少なくありません。
そんな中、好きな曲を選べて、練習した状態で試験を迎えられる自由曲は、
グレードに向けて頑張ってきたことをアピールしやすい項目です。
自由曲選曲のポイント
自由曲は、当日の演奏から「技術」と「表現」を評価されます。
その級に適した難易度の曲の中から、
自分の得意なタイプの曲
難し過ぎない曲
を選曲するのがポイントです。
難しい曲をなんとか弾くよりも、簡単な曲を完成度高く弾く方が良い評価がもらえます。
「技術」と「表現」とは?
「技術」は、手の形や姿勢、細かい音が揃えられているかなどが見られます。
「表現」は、強弱、曲の雰囲気に合った音色や弾き方ができているかなどが見られます。
特に「技術」の方で曲が難しいせいで弾きこなせていないと良い点数がもらえません。
ブルグミュラーの「アラベスク」や「バラード」など左手が速く難しい曲は避けた方が無難です。
【まとめ】ヤマハグレードBコースを上達のきっかけに
グレードは、合格することだけが目的でなく、その準備の過程に大きな意味があります。
特にBコースは、さまざまな角度から音楽を理解し、表現する力が求められるので、受験に向けての練習は、総合的な音楽力を向上させてくれます。
ぜひBコース受験に向けて頑張ってください!