小学校高学年くらいから、クラスで歌う合唱の伴奏、音楽の授業でやる歌の伴奏など、ピアノ伴奏の機会が増えてくると思います。
実は合唱の伴奏ってとても奥深いです。
上手く弾くための練習のポイント、普段からやっておくことなど、合唱の伴奏につながるヒントをお伝えします。
合唱の伴奏に求められること

どんな伴奏が良い伴奏でしょうか?
歌う立場に立って考えてみるとよくわかるかもしれません。
①止まらないで最後まで弾けること
当たり前ですが、合唱の伴奏は途中で止まらずに弾かなければいけません。
普段曲を弾いているときにも意識していますか?
間違えたら止まってしまう
そんなクセがある人は、間違えても止まらずに、同じテンポで弾くことを意識しましょう。
練習不足でミスばかりするのはもちろんダメですが、少しのミスタッチなら大きな問題にはなりません。
②歌に合わせて音量やテンポを変えられること
ピアノの独奏曲(ソロ演奏)の場合、テンポ表示や曲にふさわしいおおよそのテンポはありますが、基本的には奏者がテンポを決めることができます。
合唱の場合は、歌や指揮に合わせて弾くことが求められるため、自分の好きな速さでしか弾けないのはNGです。
また、弾きやすいところは速く、難しいところはゆっくりなど曲の途中で勝手に速さを変えることはできないので、同じ速さで弾き続ける力も求められます。
また、合唱ではピアノと歌のバランスも大切です。曲の中の強弱を表現できることだけではなく、歌の声が小さければ控えめに、大きければしっかりと演奏することも求められます。
③短期間で譜読みできる、楽譜を見ながら演奏できること
合唱の伴奏のオーディションで多いのは、楽譜をもらって1~2週間でオーディションがあるなど、練習の期間が短いことです。
どんなに難しい曲が弾けても、楽譜が読めない、譜読みに時間かかるというタイプの人には伴奏の担当は難しいです。
普段から読譜力、ある程度まで短期間で仕上げられる力を鍛え、期限のあるものに対応できる力を身につける必要があります。
普段から意識しておくと良いこと

上記の伴奏に求められる力をつけるため、普段から意識しておくと良いことを挙げてみます。
①間違えても止まらずに弾けるようにする
練習のときにしっかりと目的を持つようにしましょう。
通す練習をする時には、少し間違えても止まらずに弾くことを意識します。
難しい部分の練習、間違えた部分の練習は、通すのとは別に部分練習をするようにしましょう。
②音のバランスをよく聴きながら弾く
普段から自分の演奏をよく聴くことが大切です。
録音してチェックするのも有効ですが、
演奏しながら今出している音がどうかなと聴けるようにすることで、
合唱の伴奏の時にも自然と歌とのバランスをとれるようになります。
合唱の伴奏では、バスの音、ハーモニーの音、メロディーをサポートする音などさまざまな役割の音が出てきます。
歌いやすい伴奏にするためのバランスをとる練習を普段からするようにしましょう。
③楽譜を読む力、分析する力をつける
普段のレッスンで弾く曲では、譜読みの間違いを先生に直してもらえたり、
強弱をどうつけたら良いか、どのような表現をしたら良いかアドバイスしてもらえることも多いと思います。
合唱の伴奏は、少しはレッスンでも見てもらえるかもしれませんが、譜読みは基本的に自分自身でやらないといけません。
レッスンで先生に楽譜を読んでもらったり、表現を1から全て教えてもらうことに頼ったりせず、自分自身でできることを増やしていきましょう。
まずは譜読みを自分でしっかりしてからレッスンに行くこと、最低限の楽譜に書いてある表現(強弱やアーティキュレーション、テンポの変化など)は自分で気をつけられるように練習をしてからレッスンに行くことを意識してみましょう。
オーディションに向けての練習

オーディションで伴奏者を決める場合、練習の仕方にポイントがあります。
①オーディションまでの期間を考えて練習の計画を立てる
オーディションの日程、どこまでを弾くのかなどが決まったら、オーディションに向けての計画をたてましょう。
大まかに期間を半分に分け、前半は譜読み(両手で弾けるようにする)、後半は弾き込みというようにするのがオススメです。
両手で弾けることをオーディション時の目標にしてしまうと、
難しいところでつまってしまい、最後まで譜読みが終わらなかった
何とか弾けただけだったので当日緊張したら上手く弾けなかった
など、失敗つながってしまう可能性があります。
余裕を持って練習に取り組むように心がけましょう。
②譜読みの際のポイント
短期間で譜読みをしなければいけない場合、曲の流れをつかみ、覚えながら弾くことを意識すると良いです。
やみくもに繰り返しているだけでは上手く弾けるようになりません。
まずは、イントロ、Aメロなどの区切りごとに練習し、それぞれをスムーズにつなげていくと良いでしょう。
難しいところの部分練習は、練習後半の弾き込みの時期にすれば良いので、
大枠をつかみながら止まらずに通せるように、することが大切です。
③弾き込みのポイント
両手で通せるようになったら、弾き込みをしていきます。
難しいところの部分練習をしながら、演奏の完成度を高めていきましょう。
歌にふさわしいテンポで弾けているか、途中でテンポが変わらずに弾けているかなどもチェックポイントです。
イントロ・間奏などのメロディーや、歌と同じ音を弾く部分では、抑揚も大切にして演奏できると良いですね。
④オーディション当日を意識した練習
緊張するといつもできているところもできなくなってしまうのは、よくあることです。
家族や友だちに聞いてもらう、録音してみるなど、練習とは違う緊張感の中で弾く経験もしておきましょう。
【まとめ】毎日の積み重ねが大切
合唱の伴奏のポイントをいろいろお伝えしてきました。
何より大切なのは、普段からしっかりと練習に取り組む習慣をつけておくことです。
学校での伴奏のオーディションは、単に誰が一番上手かったかだけで決まる訳ではないこともあるので、
自分の中では精一杯努力して、上手く行っても合格できないことはあるでしょう。
それでも諦めずに日々の練習を頑張ることで、力をつけていけば、きっと努力が報われる日が来るはずです。
目標に向けて、頑張ってみてください!